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塗装選びのポイント~オイル・ワックス・ウレタンで比較~

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こんにちは。ウッドリンクの多賀です。

フローリングやDIY家具に無垢材を使いたいという方から「どんな塗装をすればいいの?」という質問をよくいただきます。塗装をしたいけど何を選べば良いのかわからない、そもそも塗装は必要なのかなど、塗装に関する疑問をお持ちの方は多いと思います。そこで今回は内装材についての塗装の役割や塗装選びのポイントを解説します。

<1>塗装は必要?
<2>どんな塗装があるの?
<3>使用箇所別 塗装の選び方

<1>塗装は必要?

塗装や塗料というとペンキなどの着色を目的とした塗装を思い浮かべるかもしれませんね。
誰でも手軽にDIYができるようになった現在では、壁紙にペンキを塗って色を変えるDIYも見かけるようになりました。ですが無垢材の家具やフローリングを採用する場合は、木の色や木目の風合いを生かした仕上げとする場合が多いため、濃い着色をすることは稀です。
それでは塗装は必要ないのでしょうか。無垢材を無塗装で使う場合、どのようなメリット・デメリットがあるのかまとめてみました。

 

<無塗装>

【見え方】 ◎
【手触り】 ◎
【汚 れ】 △
【傷つき】 △
【調湿性】 ◎

無塗装の場合、無垢材本来の見た目、手触り・足触りを味わうことができます。
塗装によって木材の呼吸を妨げないため本来の調湿性能を発揮できます。ですがその分、水分が染み込みやすいので食べ物をこぼすとシミになりやすいです。また良く触る場所には手垢等の黒ずみがつきやすいこと、物を落とすと傷が付きやすいことが大きなデメリットとなります。
無塗装なので再塗装の手間はありませんが、その分普段の手入れをしっかりとする必要があります。

汚れや傷を防ぎたいという方は、塗装することをお勧めします。塗装には木材の表面を保護し耐久性を上げる目的もあります。クリアタイプ(無色)を選べば、木の色や木目の風合いを残すことができます。また塗装の種類を選べば、手触りの質感や調湿性能を損なうことなく表面を保護することや、傷つきにくくすることも可能です。

<2>どんな塗装があるの?

次に木材の代表的な塗装をご紹介します。
自然塗装と呼ばれる「オイル塗装」「ワックス塗装」と、「ウレタン塗装」の3つがよく使われる塗装です。

<オイル塗装>

アマニ油やエゴマ油など、植物性の油を原料とした塗装です。
含浸といって木の組織に浸透して木を保護します。表面の塗膜は薄いため、手触りや調湿性能を損なうことはありません。無塗装よりは汚れにくいものの、水には弱いので水分がついたらすぐに拭き取るなど注意が必要です。また傷付きやすさは無塗装と大差ありません。
塗装後はしっとりと艶感のある仕上がりとなり、無塗装時より木の色味や木目を際立たせます。
表面の塗膜は弱いため定期的に再塗装が必要ですが、DIYで手軽に行うことができます。

【見え方】 ◎
【手触り】 ◎
【汚 れ】 〇
【傷つき】 △
【調湿性】 ◎

 

<ワックス塗装>

ミツバチの巣から抽出したミツロウや、植物から採取したロウを原料とした塗装です。ワックスもオイルと同じく浸透系の塗装ですが、それほど染み込まず木の表面に留まって保護します。表面の塗膜は薄いため、手触りや調湿性能を損なうことはありません。無塗装よりは汚れにくいものの、水には弱いので水分がついたらすぐに拭き取るなど注意が必要です。また傷付きやすさは無塗装と大差ありません。
塗装後は無塗装に近いサラッとした仕上がりとなります。
表面の塗膜は弱いため定期的に再塗装が必要ですが、DIYで手軽に行うことができます。

【見え方】 ◎
【手触り】 ◎
【汚 れ】 〇
【傷つき】 △
【調湿性】 ◎

 

<ウレタン塗装>

ウレタン樹脂を含んだ塗料で表面をコーティングする塗装です。最もポピュラーな塗装方法であり、採用実績が多いため、塗装のバリエーションが豊富です。
表面に硬い塗膜を作るため汚れや傷に強いのが最大の特徴で、普段から水拭きによるお手入れが可能です。
しかし表面の塗膜により木の質感が薄まり、ツルツルとした手触りとなり、光沢のある仕上がりになります。光沢のある仕上がりが好みでない場合は、艶消しタイプの塗料を選ぶこともできます。
また木の呼吸が制限されるため調湿性能は低下します。
定期的なメンテナンスは不要ですが、経年劣化で塗装がはがれてきた場合、再塗装は業者に依頼することになります。

【見え方】 〇
【手触り】 △
【汚 れ】 ◎
【傷つき】 ◎
【調湿性】 △

スギのフローリングに3種類の塗装を行ない比較してみました。
写真では分かりにくいですが、ウレタン塗装は光沢があり光を反射する仕上がりとなっています。
オイル塗装とワックス塗装では違いが分かりませんが、手前の無塗装部分と比較すると木の色味が際立っていることが分かります。

 

<3>使用箇所別 塗装の選び方

3種類の塗装をご紹介しましたがそれぞれ特徴が異なります。
実際はどのように選べばいいのか、無垢材の使用箇所別の選び方のポイントを解説します。

〇洗面台、キッチンカウンター ⇒ ウレタン塗装

水撥ね・水拭きが想定されるためウレタン塗装をお勧めします。

 

〇ワークデスク ⇒ ウレタン塗装

筆圧が強いと天板に跡が残ることがありますので、気になる場合はウレタン塗装がお勧めです。

 

〇ダイニングテーブル ⇒オイル塗装、ワックス塗装

ダイニングの主役となるダイニングテーブルには、木の質感が味わえるオイル塗装・ワックス塗装をお勧めします。ランチマットを敷くことで、食器による傷つきや食べこぼしによるシミも抑えることができます。

 

〇フローリング ⇒オイル塗装、ワックス塗装

素足で歩くフローリングには足触りの良い、オイル塗装・ワックス塗装をお勧めします。食べこぼし等はすぐに拭き取るなど注意が必要です。普段のメンテナンスの状況にもよりますが、1~3年に1度再塗装することで、きれいな状態を保つことができます。

 

基本的にはクリア塗装(無色)が選ばれることが多いですが、部分的にカラー塗装を行うことで空間の雰囲気をガラリと変えることもできます。ウレタン塗装はもちろん、オイル塗装でもカラー塗装が可能です。木の質感や木目の風合いを残したままの着色も可能なので、アクセント使いで楽しみたい場合にお勧めです。

 

<まとめ>

今回は無垢材の塗装3種類と塗装選びのポイントをご紹介しました。見た目の質感や手触り、調湿性能を重視するならオイル塗装・ワックス塗装、汚れや傷つき防止を重視するならウレタン塗装がお勧めです。
使用する箇所によっても変わりますので、今回の内容を参考に無垢材+塗装選びを行ってみてください。
塗装によってきれいな状態を保ちながら、木のある暮らしを楽しんでいただければと思います。

今回ご紹介した塗装は内装材に関する塗装ですが、外部に木材を使う際の塗装は選び方が全くことなります。外装木材の場合、紫外線や腐朽に対する耐久性が必要になるため塗装は必須です。外装木材への塗装については次回のブログでご紹介致します。

「木と人」では、木本来の肌触りやあたたかさを感じてほしいので、無塗装とオイル塗装の商品をご準備しています。オイル塗装は人と環境に優しい室内用の自然塗料で、赤ちゃんやペットが触れても安全な純国産の天然油性塗料「U-OIL」を用いています。ほぼ無臭で速乾性があり、撥水性も高いので無垢フローリングの汚れ防止に最適です。木の質感を活かしたクリアタイプからカラータイプまであるので、好みに合わせて選ぶこともできます。無塗装の商品を選び、ご自身で好きな塗装をしていただくことも可能です。
興味のある方はお気軽にお問合せください。